地下鉄に踏切はありますか?

地下鉄とは地下を走る鉄道のため、人や車の通る道を遮断する必要がない快適な交通システムです。そのため、線路上に踏切がないことがその特徴の1つとなっていますが、実は日本で唯一、地下鉄の踏切がある場所があります。その場所とは、東京メトロ銀座線の上野駅と稲荷町駅の間にある上野検車区への引き込み線路上で、公道と交差するところとなっています。
東京メトロ銀座線は昭和2年に開設された日本で最初の地下鉄で、開設当時は上野駅から浅草駅までの運行でした。銀座線と共に建設されたのが上野検車区で、地下鉄の開設当初は「上野電車庫」と呼ばれていました。上野検車区は、東京メトロ銀座線を走る地下鉄の点検や整備などが行われる場所となっています。そのため、踏切が動く姿を見ることができるのは、地下鉄がこの検車区へと入庫する時、または検車区から出庫する時のみです。しかし、いつ地下鉄がこの場所を通るかということは明確にはなっていないため、踏切が動く姿を目にするためには多少待つ覚悟が必要です。この踏切が設置されている道路には、上野駅から徒歩で行くことができます。
また、この場所にある踏切には通常の踏切とは違う特徴があり、道路に対して踏切が作動することはもちろん、電車が走る線路上にも柵があり地下鉄の移動に伴って昇降するシステムとなっています。なぜこのようなシステムが設けられているかと言うと、東京メトロ銀座線がサードレール方式と呼ばれる方法を用いて走行していることに理由があります。サードレール方式とは線路とは別に電気の流れるレールがあり、そのレールから地下鉄に電気を供給するシステムとなっているため、この線路に近づくと感電の恐れがあります。そのため、人をはじめ犬や猫などの動物が誤って線路内に侵入しないように地下鉄が入出庫する時以外は柵によって遮断されているのです。もちろん、公道には電気を通るレールは設置されていないため安心です。
かつて、この踏切において見ることができる車両には銀座線01系と銀座線1000系がありました。しかし、01系は2017年の3月いっぱいで退役を迎えてしまったため、2017年の4月以降に見ることができるのは銀座線1000系のみとなっています。銀座線1000系は銀座線が開設した当時に使用されていた旧型1000系を元にデザインされた新型車両で、冷房がより効きやすいなど社内の快適性に優れている点が特徴です。旧型1000系と同じレモンイエローで塗装された車体も魅力で、日本唯一の地下鉄の踏切ではこの鮮やかな色合いの地下鉄が走る姿を楽しむことができます。